横浜市衛生研究所:梅毒について
流行は?
梅毒は、Treponema Pallidum という細菌によって起こされる性感染症( STD : sexually transmitted disease : 性交渉によって感染する病気)です。アメリカ合衆国の1998年の統計によれば、20-39歳の人で多く見られ、女性より男性にやや多く見られます。アメリカ合衆国では、人種・民族間での発生率にもっとも違いの見られる病気の一つとされています。アフリカ系アメリカ人での発生率は、白人での発生率の約34倍です。アメリカ合衆国では、1998年の把握された患者総数に占める各人種・民族の割合は、アフリカ系アメリカ人が80%、白人が13%、ヒスパニックが6%その他が1%となっています。
どんな病気?
他の病気と区別しにくい多くの症状・徴候を示すことがあることから、欧米では百面相( great imitator )にたとえられることがあります。
Treponema Pallidum という細菌は、梅毒の傷との直接の接触により、人から人へと感染します。梅毒の傷は、主として、外陰部、膣、肛門、直腸に見られます。唇や口の中に見られることもあります。性交渉中のこの梅毒の傷との接触により、人から人への感染が起こります。また、梅毒に感染している妊娠中の女性では、お腹の中の赤ちゃんへの感染が起こりえます。便座、ドアの取っ手、水泳プール、温泉、風呂などでは、感染しません。
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Treponema Pallidum という細菌が人体内に入り込んでから、最初の症状が出現するまでにかかる時間は、10-90日、平均で21日(3週間)です。梅毒の第一期は、硬性下疳( chancre )と呼ばれる単発の傷の出現です。硬性下疳( chancre )は、通常、小円形で硬く、痛みがないのが特徴です。最初は、赤い丘疹(盛り上がった発疹)として出現しますが急速に潰瘍(えぐれたような傷)となります。潰瘍(えぐれたような傷)からの浸出液には、たくさんの Treponema Pallidum という細菌が含まれます。硬性下疳( chancre )は、 Treponema Pallidum という細菌が人体内に入り込んだ場所に出現します。硬性下疳( chancre )は、1-5週間出現していますが、そのうち消失してしまいます。しかし、硬性下疳(chancre)が消失しても、決して治ったわけではなく、適切な治療が行われなければ、梅毒の第二期へと進行します。
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梅毒の第二期は、体の一部分あるいは多くの部分で、通常かゆみがない発疹の出現で始まります。発疹は、硬性下疳( chancre )が消え始めるのとともに現れる場合もあれば、硬性下疳( chancre )の消失の数週間後に現れる場合もあります。発疹は、ざらざらした、1ペニー銅貨のような斑として手のひらや足の裏に出現することがあります。あせものような発疹として現れることもあります。かさやイボやにきびのようなものとして全身や陰部に現れることもあります。べとべとした白い斑として、粘膜に現れることもあります。梅毒で現れることがある発疹は多彩でしかも他の病気でも同様な発疹が現れることもあり、医師の診断を迷わせます。欧米で百面相( great imitator )にたとえられることがある理由です。ときとして、発疹がたいへんわずかで目立たない場合もあり、気づかないうちに消えてしまう場合もあります。発疹は通常2-6週間出現していますが、やがて消えてしまいます。発疹以外にも、発熱、リンパ節腫脹、のどの痛み、斑状の脱毛、頭痛、体重減少、筋肉痛、疲労などが出現することがあります。梅毒の第1期および第2期の症状が出ている間は、特に、他の人を感染させやすいです。
梅毒の潜伏期は、第2期の症状が消えるとともに始まります。特に、潜伏期が始まって最初の2年間は、第2期の症状が再発しやすく、前期潜伏期ということがあります。2年以上経過すると後期潜伏期と言われます。外見上、何の症状も見られなくても、病原体は体内に存在し、内臓を痛め始めています。脳、神経、目、心臓、血管、肝臓、骨、関節などが標的になります。梅毒の治療を受けないでいると、何年もたってから、梅毒の第3期(あるいは晩期)として、この内臓の障害が明らかになることがあります。
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感染後3年以上経過すると梅毒の第3期(あるいは晩期)の症状が出現する可能性があります。梅毒の第3期(あるいは晩期)の症状も多彩なものが出現する可能性があります。筋肉の動きの協調ができなくなる。麻痺。痛みを感じにくくなる。だんだんと目が見えにくくなる。認知症あるいは人格の変化。性的不能。ずきずきした痛み。心臓血管の閉塞あるいは瘤。皮膚・骨・肝臓・その他の器官の腫瘤あるいは「ゴム腫gummas」。激しい腹痛・嘔吐。膝の障害。足の裏や足指の深い傷。これらの障害は、死因となるほど重症となる場合もあります。
妊娠中の女性が感染した場合、死産となったり誕生後すぐに赤ちゃんが死亡したりする確率が約40%あります。母親が梅毒で治療されなかった場合、あるいは母親が妊娠34週を過ぎてから梅毒の治療を受けた場合、そのような母親から生まれた赤ちゃんは、40-70%の確率で梅毒に感染しています(先天性梅毒)。赤ちゃんは症状もなく生まれるかもしれませんが、すぐに治療しなければ数週間以内に症状が出てきます。そのような症状・徴候はたいへん重症です。皮膚の傷、ときに血液が入った鼻水、口の中のべとべとの斑、手足の骨の炎症、肝臓の腫れ、貧血、黄疸、小頭などです。発達の遅れや痙攣発作を起こしたりもします。感染した赤ちゃんの12%が病気のために亡くなります。
梅毒によって生じた陰部の傷は、HIV(エイズの病原体)を受け渡しやすくしますし、HIVを受け取りやすくします。梅毒に感染していると、HIVに感染する確率は2-5倍に高くなります。アメリカ合衆国では、梅毒に感染している人が多い所で、HIV(エイズの病原体)に感染している人の伸びも大きいです。
ペニシリンのような抗生物質を使うことによって梅毒は治療できます。感染からの経過が長いと、長期の治療を必要とします。また、ペニシリンのような抗生物質は、梅毒の病原体である Treponema Pallidum という細菌を殺しはしますが、感染によって生じた器官の障害を修復するものではありません。梅毒は、早期に発見し早期に治療することが大切です。また、梅毒の疑いがある場合、性交渉を控え、梅毒と診断された場合には性交渉の相手にも検査を勧めることが大切です。
病原体は?
梅毒の病原体である Treponema Pallidum という細菌は、日本と関連が深いです。この病原体を発見したのは、Fritz Schaudinn (1871-1906)というドイツの動物学者ですが、渡米してロックフェラー研究所にいた野口英世(1876-1928)が名をあげたのは、この病原体に関した研究でした。また、秦佐八郎(1873-1938)は、ドイツ留学中にエールリヒと協力して梅毒の治療薬であるサルバルサンを発見しました。
梅毒の病原体である Treponema Pallidum という細菌に対する抗体を測定する検査法として、TPHA法(間接赤血球凝集反応法)、FTA-ABS法(間接蛍光抗体法)などがあります。
予防のためには・・・
梅毒のワクチン(予防接種)はありません。感染して梅毒の病原体である Treponema Pallidum という細菌に対する抗体ができても、その抗体によって梅毒の感染を防ぐことはできません。
お互いが梅毒に感染していないことがわかっていて、お互い以外には性交渉の相手がいない二人では、梅毒になることはありません。梅毒かどうかわからない相手と性交渉があるときは、最初から最後まできちっとコンドームを使用することが、梅毒の予防となります。梅毒であるかどうか確定することは、医療機関での検査でしかできません。外見上なんの異常もなさそうに見えても、梅毒の傷は、膣や直腸や口の中に隠れていることがあります。性交渉の後で放尿したり陰部をよく洗ったりしても、梅毒を含む性感染症( STD : sexually transmitted disease : 性交渉によって感染する病気)の予防にはなりません。特に陰部における、いつもと違う分泌物、傷、発疹などが出現したときには、性交渉を控え医療機関を受診することが大切です。
梅毒の血液検査(血清反応)では、感染後約4週間は感染していても「陰性(梅毒に感染していない)」という結果が出てしまうので、最近に梅毒に感染した疑いがあるときはもう一度検査をすることがあります。
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